2014.5.5 「ホームページを開設して11年が経ちました。」



このホームページを開設したのは、2003年5月5日のことで、当時は、大学院博士課程の3年生でした。

ホームページを始めようとしたきっかけとしては、博士課程を取り巻く就職状況に関して、「理系白書」などの特集で新聞で取り上げられるようになり、その取り上げられ方がネガティブで、自分自身の肌感覚からも、自分自身の今後が大丈夫かと心配になったことと、それで、あわてて就職活動をしてみたら、案外、博士課程修了予定者であるということで、弾かれることはないということがないということがわかり安堵したこと、そして、博士課程に行っていても就職に関してそれほど悲観的になる必要はないのではないかと感じたこと、が挙げられるかと思います(もっとも、博士課程からの就職に関しては、研究分野による相違もありますし、個人の意識の持ち方や、研究室の文化の相違などもあるようで、博士課程全般の問題とするようなものではなかったようにも思います)。

最近の私自身の問題意識としては、「就職」よりは、「働き方」や「世の中との関わり方」といった「就職」の先にあるものであったり、就職する上での心構え、社会(世界?)をどのように捉えるのかといった方向に向いているように思います。このように考えるのは、おそらくは自分自身の人生を無駄にはしたくはないし、もしも、人生の中で多少の時間を割くのであれば、多少なりとも意味があると思えることに割きたいという思いがあるためかと思います。

ヨーロッパで産業革命が始まって以来、何度かの「停滞期」と呼ばれる時期があったと言われており、例えば、1870年代のヨーロッパでは、自由貿易から保護主義の色が強くなってきたと言われたりもします。ただ、この時代は、次の時代の準備だったとも後の時代になれば、考えることはでき、ドイツなどの新興国では、重工業を著しく発展させましたし、学術研究も盛んになりました。

現在の世の中ももしかしたら同じ状況なのかもしれないと思うのですが、例えば「グローバル化」、「少子高齢化」、「失われた20年」、「イノベーション」など、さまざまなキーワードで現在の状況や現在必要とされるものが語られたりしますが、どう捉えたらいいのか、どう関わったらいいのかというところで、どうしたものだろうかと思ってしまいます。

また、日本に限らないのかもしれませんが、大学を取り巻く状況も楽観できないものとなっているようです。アカデミック分野での就職を希望する場合、大学教員は、一つの有望な選択肢となるかと思います。大学教員自体は、学校基本調査を見ると、年々増えているのですが、その教員が、正規の教員であるのか、特任の教員であるのかというのは、明確になっていないようで、その増えているのが、何によってなのかがよくわからない状況にあります。また、教員が増えていても、それは旧来の理工系の分野ではなくて、医療や福祉関係の分野だということもあるかもしれません。いずれにしてもアカデミックでの就職は大変であるように思います。

また、近年では、アカデミック分野での研究での、国の関与は増えてきており、例えば国立大学の収入における受託研究費の比率は上昇傾向にあります。他の国も、国が研究開発の面倒を積極的に見るということをしているようですが、これが行きつく先はどのような状況に至るのだろうかと思ったりもいたします。

企業においても、事業テーマの設定というのは、世の中が読めない(テーマ設定をする立場の人たちの能力的な問題もあるのかもしれませんし、テーマ設定のプロセスに問題があるためもあるのかもしれませんが)ために、難しいものとなってきているようです。

このような状況でありますので、例えば、自分の分野の求人があんまりないという状況になれば、自分のこれまでやってきたことがなんとなく否定された感じになることもありますでしょうし、国の受託研究や、意味のわからない事業テーマなどに関わることになって、やる気をなくすこともあろうと思います。

見えずらい世の中ではありますので、何がしか私自身の興味関心の方向で、自分たちが社会との関わり方を考える上で参考になりそうなことが載せられたらと考えておりますが、自分の能力的に可能かどうかはわかりません。

「博士」を語る場合に、「『博士』は、現在どのようなものであるのか」、「『博士』は、どのようなものとして認識されているのか」、「『博士』にはどのようなものであってほしいのか」ということがあるかと思います。こういったことも絡めながら、我々の今後の姿や、一人ひとりの自分自身の姿について考えていけるように、ホームページの更新を続けていけたらと考えております。

このホームページを始めて11年が経ちましたが、おそらく年々歯切れは悪くなっているかと思います。ただ、ここは、あくまでも「将来について真剣に考えられる場を目指している」ところですので、ご容赦いただければと思います。今年度もどうぞよろしくお願いいたします。




もどる