2007.12.10 「名古屋大学キャリアパス支援室主催のキャリアセミナーに参加してきました」
12月1日に名古屋大学のインキュベーション施設において、キャリアパス支援室が主催するキャリアセミナー「時代が必要とするキャリアとは!?就職活動をした体験から」での講演者の一人として呼ばれていたので、参加してきました。このイベントの後に私の方で第6回「博士の生き方」座談会を開く予定だったのですが、キャリアセミナーの懇親会という位置づけで、雰囲気が座談会をおこなうという感じではありませんでしたので、中止しました。座談会のためだけに当日、会場にお越しいただいた方々には申し訳ないことをいたしました。ただ、お越しいただいた方々もそれぞれに懇親会を楽しんでおられたようなので安心いたしました。私も懇親会であれこれと話して帰ってきました。参加者の方々とお話できたことも勉強になりましたし、会の運営に関しても勉強になる一日でした。下記にそのときの報告を簡単ですが、記しておきます。
- 開催日時:2007年12月1日(土) 13時〜17時30分
- 開催場所:名古屋大学インキュベーション施設1階会議室
- 主催者:名古屋大学キャリアパス支援室・学生総合支援課 就職支援室・学生総合センター
- 参加人数:約40名(学生・ポスドク: 約30名、人材サービス会社:5名程度、名古屋大学産学官連携推進本部教員・職員:5名程度)
- 講演者:8名
- 博士課程学生2名(物理系1名、生物系1名)
- ポスドク経験者2名(物理系1名、生物系1名)
- その他:4名(会社員1名、自営業1名、産学連携関係1名、人材サービス関係1名)
- ワークショップへの参加目的:名古屋大学では、2006年度から科学技術関係人材のキャリアパス多様化事業として名古屋大学産学連携推進本部にキャリアパス支援室が設けられ、ポスドクなどの博士号取得者および博士課程学生のキャリア支援に取り組んでいる。
このワークショップの目的は、名古屋大学キャリア支援室の支援で就職活動をして就職をした学生およびポスドク経験者が、就職しての経験および就職活動の経験から得られた知見を、現在就職活動をしているか、もしくは進路に悩むポスドク・博士課程学生に伝え、進路選択に役立ててもらうことである。
このワークショップには、参加しているポスドク・学生のおかれている状況および将来に向けての志向について知ることを目的として参加をした。また、私自身も講演をおこなった。
- 概要:講演では、就職活動をしたポスドク・学生からの就職活動をしての体験およびそこから考えたことについて語られた。また、人材サービス会社のバイオ分野担当者より、就職活動の面接に関する知見が就職支援者の立場から語られた。さらに、ワークショップ終了後の懇親会において、現在、就職活動をしているポスドクから就職活動をして感じていることについてお話をうかがった。
その結果、アカデミック以外への転進を図る上での周囲の関係について、バイオ分野における就職の現状について知見を得た。
- アカデミック以外への転進を図る上での周囲との関係について:
7−1:インターンシップ参加について:
- 昼間にインターンシップをおこなっていたため、共同研究をおこなっている他機関研究者との連絡に苦労をした。(生物系ポスドク)
- インターンシップに関しては、所属長の快い許可も得、グループのメンバーからの理解も得られて、臨んでいた。しかし、実験は続行させる必要があり、早朝と夜はラボに戻っており、孤立感は深まっていった。
- ポスドクとしての専任義務があるため、インターンシップを行うことが事前の計画に入っておらず、インターンシップを認めてもらうのに苦労をした。(生物系ポスドク)
7−2:就職活動および就職に関する周囲の反応:
- 自分が就職活動をした影響かどうかはわからないが、ポスドク、ドクターに行きたいという学生はいなくなった。(生物系ポスドク)
- 自分の研究室では、博士課程を出た先輩たちが常勤ポストを得られないのを見ていて、修士課程の学生が一人も博士課程に進学しなくなった。(生物系ポスドク)
- 自分が研究から離れることに対して、周囲のポスドク・後輩の学生たちからとても残念がられた。(物理系ポスドク)
- 自分が就職活動をする姿を見て、アカデミックに行きたいとする自分の進路に迷いが生じた後輩・同輩もいるようだ。
- アカデミック以外の就職活動についてオープンに出来る雰囲気がなく、名古屋大学キャリアパス支援室の支援を受けていることは職場では伏せている。(生物系ポスドク)
- アカデミックへの就職については、同僚とどこに出しているとか、いろいろと話をすることはある。
- 機関での任期が切れるなどして辞めたポスドクの転進先についてはうわさとして機関内に広まる。転進者がアカデミックに行くこともあるし、企業などへ就職する場合もあるし、行方不明になることもあるが、それぞれの話については身近な話題として語られることはない。ちょうどテレビニュースの話題について語られるような遠いところの話のように語られる。
- 自分は知財関係に進むか海外にポスドクとして留学するかで悩んでいた。その際に知財関係の人や海外留学経験者に相談した。しかし、どちらの人たちも自分の経験がすばらしいという。自分なりにそれぞれのメリット・デメリットそして、自分の希望などをよく考えて結局、知財関係に行くことにした。(生物系博士課程学生)
- 自分の周囲にアカデミック以外に就職した博士課程の先輩がいないため、自分の進路についてすごく不安を感じている。(生物系博士課程学生)
- バイオ分野における就職の現状:
- ポスドクの方が相談に来られるときは、当初は医薬品業界での研究職を希望していることが多い。(人材サービス会社・社員)
- しかし、ポスドクの方が希望する探索分野などのそれまでの経験が割りと活かせる基礎的な研究分野においては、数少ない募集に対して大勢の方が応募してくるため、採用されることはかなり難しい。
- 医薬品業界以外にも、例えば食品業界においてもバイオ系の研究に力を入れていることがあるため、そのような業界を勧めることもある。
- 生物系での職種に限定しなければ、特に高分子化学などでは慢性的に人手不足の状況にあり、少しでも化学の素養があるような場合には、分野を変えることを受け入れられれば就職できる可能性は高くなる。採用する企業としては、即戦力を求めるというわけではなく、ポテンシャルを見て採用をする。つまり、今後取り組んでいく分野に前向きにかかわっていき、いずれ一人前になってほしいという希望をもって採用をしているようだ。
- 日本の医薬品業界においてはあまり明るい将来が展望できないと考えているため、化粧品業界を目指している。履歴書もかなりわかりやすく書いているが、これまでに面接で呼ばれたことは一回だけである。(生物系ポスドク)
- まとめ:
実際に就職活動を経験しているポスドク・学生の感じていること、考えていることに就いて知ることができた。また、バイオ系に関する就職状況についても知ることができた。
ポスドク・学生の就職支援を通して、就職希望者の研究分野における就職可能分野における知見および、彼らが就職活動を行う上で直面する問題などについての知見を得ることが可能だと思われる。就職支援を通して得られた知見を、大学・大学院教育へフィードバックおよびポスドクの職場環境の改善に向けての取組みに生かすことができるのではないかと考える。
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