2004.7.19 「博士号取っても定職なし、文科省が「余剰博士」対策へ」



読売新聞のネット版の7月18日分に表題のような記事が載っていました。 http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20040718i301.htm

記事の内容を要約するとだいたい以下のような感じです。

「これまで博士課程の定員を増やしてきたし、博士課程修了者の受け皿としてポスドクの支援制度も充実させてきたが、それも限界にきている。そのため、現在は定職につけない博士が増えてきている。そこで、博士課程修了者の進路を詳しく調査し、博士の活躍の場を広げる方策を探る。その第一段階として、ポスドク修了者の進路についての実態調査に乗り出す。そしてその調査結果を受けて、博士を受け入れることに消極的な産業界の意識改革や博士課程教育の改善を進めていく」といった内容です。

記事では、産業界が「博士は社会経験が乏しく、視野も狭いので使いにくい」などの理由で博士の採用をさける傾向があるなど、どちらかというと、博士を受け入れる産業界側に問題があるように書いてあります。しかし、受け入れられる側である博士にも問題があることも多いのではないかと感じております。

前回の「雑感」でも、書いたことなのですが、企業は、博士に関して頭ごなしに否定しているわけではなくて、それなりに自らの身の振り方について柔軟性をもっている学生・ポスドクであれば評価の対象にしてくれるのです。ただ、読売の記事にも書いてある通り「視野が狭い」博士に関しては採用をお断りしているというのが現状だと考えております。一番大事なのは、博士の方の意識ではないかと考えております。

いずれにしても、実態調査に乗り出してくれるのはとてもありがたいことだと考えております。昔、私自身もポスドクの視野に入れて進路を考えていたときに、いくつかの研究機関にポスドク任期修了後の進路を尋ねたときに、かんばしい答えを返してくれるところがほとんどなかったので、大いなる進歩だと考えております。実態調査の結果はぜひとも、大勢の研究者志望の学生などが見られるようにしてほしいと思います。そのような結果は、学生たちにたいして自分は博士課程に進むべきかどうか、ポスドクを選択するべきかどうかということを考えるよいきっかけをあたえるものになると思います。

将来的には、どのような博士が定職にありつく上でうまくいっているのかといったことについても調査をしてもらえると、博士課程での教育はどうするべきか、博士課程ではどのように過ごすべきなのかを示すことにもつながると思います。

今後、博士課程の進路のさまざまな実態があきらかにされていくことを望みます。もちろん、「博士の生き方」でも私のわかる範囲で情報を集めていきますし、ホームページの更新をがんばろうと思っていますので、よろしくお願いします。




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