医療機器メーカー勤務、2006年度理学部生物系博士課程修了
- 自分のキャリアパスについての考えの変遷:
- 自分自身は修士・博士課程のときにも大学に所属はしていたが、国の研究機関で研究をしていた。
- 自分自身はアカデミック志向が元々強く、企業に就職するのは万が一の場合と考えていた。自分の周囲の学生のそうだった。
- 自分の在学当初のキャリアパスとしては、学位をとったあとは海外で3年くらいポスドクをして日本に帰って、大学の助手になることを考えていた。
- しかし、D2のときに研究に行き詰まり、企業就職も視野にいれるようになった。
- 当時、悩んだが、元々、修士課程入学時点では特にアカデミック志向というわけではなかったことを思い出した。そのときには、博士課程に進学するかどうかは実際に研究をしてみてから考えるという感じであった。
- しかし、入学してみると、選択の余地は消え、自分の研究をあきらめないという意識が芽生え、自分だけが抜けるわけにはいかないという意識になった。
- ただ、最終的に、自分は漠然とはしているが、医療の現場になんらかの形で貢献したいという考えが残り、この時期を逃すと就職できなくなるのではないかと思い、就職活動をすることにした。
- 研究環境の問題点:
- 自分が企業に就職すると決めたときに、周囲に相談にのってくれる人がいなかった。
- 自分の周りの学生などに相談をしたときには、必ずしもネガティブな意味ではないのだが、お互いにアカデミックな研究者であるというようなコミュニティーをともにするという意識から外れるという感覚を味わった。
- 研究が滞ったときに、キャリアのことも含めて相談をしようとすると、どうしたら研究がうまくいくのかという話にはなるが、他の道があるよというような話にはならなかった。
- アカデミックキャリアを考える機会は多く、そういった話題が出ることはよくあったが、それ以外の話が出ることはなかった。
- 修士課程においても、リクルータがくるわけでもなく、近くの学生が就職活動をしているのを見ると、自分もやろうかと思う程度。
- 会社の就職説明会を開かせて欲しいと自分の出身の研究科にお願いにいったことがあるが、断られた。その理由として、学生には研究に専念してほしいと考えており、研究に専念することが学生たちのキャリアにつながると考えているからということであった。
- 学生と教員の思惑が一致している場合は、とてもうまく機能する。
- 教官の意識の中では競争をいかに勝ち抜くのかということが重要になってきており、学生のキャリアや教育についてまでは意識が及ばなくなってきているように思われる。
- 学生には自分の研究のストラテジーを達成するためにどのように動いてもらおうかと考えるようになってきている。
- 生物系は研究にばくち的な要素が強いため、学生各人にばくち的なテーマを与え、そこから何か出てきたらもうけものと思っているふしもある。
- 生物系の研究の場合、再生医療とか最終的に医療に応用していくような分野もあるのだが、例えば再生医療をやっている会社があるといわれても行きたくないと考える人が多い。アカデミックなことでの貢献をしたいと考えている人が多いように思う。
- これは、現状の研究の進捗と医療応用との間のギャップが大きいと自覚している面もあると思われる。生物系の研究では、医療とか生活に応用ができるという触れ込みで研究費を獲得してくることが多いが、それが本当に役に立つようになるには20年、30年かかることがわかっており、それの応用にかかわることは自分たちには力不足であるとうすうす感じている面もあると思われる。
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