第19回:博士修了→ポスドク or 研究生→?


前回は、ポスドクからいきなり助教授や教授というコースはありえるのかという問いで終わっていたと思います。結論からいうとありえるということになりますが、極めて確率は小さなものとなります。まずは、年齢別・職名別の採用数を見てみましょう。

図1 年齢別・職名別採用教員数(H13)


上の図は、平成13年度の、職名別の年齢別採用教員数です。図より、助手の採用数が圧倒的に多いのがわかると思います。大学教官の平成13年度の採用数は総数で10,289人、そのうち、助手の採用は、6,464人、講師の採用が1,732人、助教授の採用が950人、そして教授の採用は1,093人となっています。助手の採用が全体の63%に達しています。また、講師の採用も含めると、助手と講師の採用で全体の80%を占めることになります。まずは助手か講師になることが大学教官としてのキャリアの第一歩ということになりそうです。さらに、図1より助手と講師の採用のピークは、25歳から40歳、助教授の採用のピークは、35歳から50歳、そして教授の採用ピークは50歳以上といった具合になっています。では、このように新しく採用された人たちの前歴というのはどういった具合になっているのでしょう?次に、採用前の状況別の採用状況を示します。

図2 採用前の状況別・年齢別教官採用状況(H13)


図2を見てまず目を引くのは、すべての職名で「その他」からの採用が多いということです。ここで「その他」というのは、研究生・ポスドク・非常勤講師などと思われます。「その他」からの採用は、助手の場合で、45%、講師の場合で、54%、助教授の場合で、47%、そして教授の場合で、35%となっています。教授以外の職種では、すべて「その他」が最大の供給源となっています。教授の場合は、民間企業からの採用が多く、39%が民間の出身です。

以前に書いたことの繰り返しになってしまいますが、助手の採用に関しては、「その他」からの採用が圧倒的に多く、仮に大学に職を得たい博士課程の学生がいる場合、多くの場合、ポスドクなどの非常勤の研究員になるか、研究生などの極めて不安定な状態に甘んじる必要が生じる仕組みになっているようです。仮に大学などに居場所を見つけられない場合にどのようになるのかがまだよくわかっていない状況においては、これはとてもストレスとなることだと思います。

また、新規学卒者からの採用を考えた場合、自校出身者の割合が圧倒的に大きいということです。つまり自分の身近で助手の口にありつけないようなら、新卒ですぐに助手になれる可能性はさらに低くなるということになると思います。

いずれにしても、大学に安住の地を求めるのはとても難しいものだということがわかっていただけたと思います。今回は、年齢別・採用前の状況別で大学教官への道を探ってみましたが、次回は、大学への採用について、選考別の特徴について論じてみたいと思います。



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