第18回:あと5年待て!


小中高の教員は、団塊と呼ばれる世代が数年後に大量に退職で抜けてしまうため、各県の教育委員会がそれに対しての対策を進めつつあるという話を新聞で読んだことがあります。大学においても、5年から7年くらいすると、大量採用時代の教官が退職するから、そのころまでポスドクなどをして糊口をしのげば、正規職員への道が開かれやすくなるという話も聞いたことがあります(私の将来の進路に対しての不安に応えるためのなぐさめの言葉だったと思うので、それほど信憑性のあるものではないとは思うのですが)。しかし、今後、大学は学生がそれほど増えていくとは考えづらいですし、国立大学の法人化が進んだからとか、教育機能の強化などといったりして、目に見えるように大学教官の採用を増やすということは考えにくいと思いますし、教官に任期制が導入されたからといっても、結構長い任期のものが多いような気がしますし、やはり、退職者によって生まれた穴を埋める形での若手の採用が今後も主となるのではないかと思います。

では、実際に大学教官の年齢構成はどのようになっているのでしょう?下に、平成13年度の学校教員統計調査報告書に記されている年齢構成を以下の図に示します。

図1 大学教官の年齢構成(H13)


上の図を見ると、たしかに52-54歳の間で周囲よりも、人数がかなり多いことがわかります。また、57歳−59歳の間も周囲よりも人数が多いことがわかります。確かに人数が特に多い年齢があるということがわかりました。

ところで、この年齢構成は、3年前のものではどのようになっているのでしょうか?以下に平成10年度の年齢構成を示したいと思います。

図1 大学教官の年齢構成(H10)


平成10年度から平成13年度にかけて大学教官の数は146,153人から151,593人へと徐々に増加をしています。平成13年度において年齢が52-54歳の人たちは、49-51歳になります。図1と図2を見比べてみると、人数は各層で増加していますが、だいたいそのままの傾向でシフトしていることがわかります。平成13年度において57-59歳の層でもだいたい同じ傾向があることがわかります。30代から40代前半の若い層に関しては、平成13年度においては若干高齢層の人数が増えており、若年層の数が抑えられている傾向があるのがわかりますが、分布の傾向に大きな変化がないのがわかります。若年層の数が抑えられ傾向があることから、今後、新卒後すぐに助手に採用されるのは難しくなり、卒業後、一度ポスドクになるか、企業などよその機関に就職することを主眼におかなければならなくなっていると思われます。

大学教官の採用においては、博士課程修了後すぐに助手に採用されるのは幸運なほうであるというのは、前回の助手の採用に関しての回でしめしました。若年層の年齢構成を見ても、さまざまな年齢層から採用している様子が伝わって参ります。

あと、5年待ったら、大量退職の時代が来るというのは、図1から確かにそのとおりなのだろうと考えることができます。しかし、それが、自分自身の採用に結びつくかどうかというのは、いずれにしても本人しだいであり、運しだいということがいえるのではないかと思います。これまで、ポスドク→助手というルートを考えてきましたが、それ以外のルート、たとえば企業の研究者や国立研究所の研究者、ポスドクから、いきなり助教授になったり教授になったりというケースは現在どのような傾向にあるのかにも可能な範囲で触れておきたいとは考えております。

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