第10回:人文科学系の就職状況


博士全体での就職状況についてこれまで述べてきておりますが、専門によってもずいぶんと就職に関しての傾向が違うということが統計をみているとわかってまいります。それぞれの専門によって特徴があります。どうして人文系の就職率が悲惨な状況に陥っているのか、工学系がどうして、就職率が落ちているといいつつも、その落ち方がゆるやかなのかがなんとなくは分かってまいります。ここからしばらくは、人文系、社会科学系、理学、工学、農学、保健について、就職者の職業選択について統計を示し、それぞれの系での傾向を述べていきたいと思います。まずはじめに人文科学系からです。

まずは、おさらいとして、人文科学系の年度毎の卒業者に占める就職者の人数を示しておきます。

図1 人文科学系の博士課程修了者のうち就職者の人数


図1に示すように、人文科学系では、博士課程の修了者が増加に対して、就職者の数がほとんど変化がないのがわかると思います。果たして、就職された方々はどのような進路を進まれているのでしょうか?次に就職者の職業別の人数を示してみます。

図2 人文科学系の博士課程修了者のうちの就職者の職業別の内訳


この図を見ると、就職者のうちのかなりの人数が大学教員への進路を得ております。しかも、大学教員に採用された人数は年度によってほとんど増減がないことがわかります。人文科学系では、大学教員以外の進路の開拓が急務であると考えられます。

ある種のシミュレーションゲームでは、登場人物の会話をフルボイスにて聞くことができるのですが、その昔、プレーヤーの登録した名前までも、声を出して呼んでくれる(しかも状況に応じてトーンを変えてくれる)という脅威のシステムを採用したゲームがありました。名前を呼ばせるために、なんでも音素というものを利用したとのことで(どういったものかはおぼろげにしか覚えておりませんが)、多分言語学とかそんなものに属するものなのでしょう。人文系はよく役に立たないと言われますが、そんなことはなく、何かと組み合わさることで大いに役に立つこともあると思います。



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