第5回:博士課程の就職率


これまで、主に博士課程を修了して。ポスドクを進路に選んだ場合について、お話してきました。これまで、続けてきて、どうも博士課程そのものに対しての情報が足らなかったなと思っております。博士課程の就職は難しいという前提で話を進めてきましたが(実際に就職率は低いのですが)、その低さとはどの程度のもので、またその低さは何に起因するものであるのか、少し考えてみてもよいのではないかと思っています。そこで、しばらくは、博士課程の現状を見ていこうと思います。

今回は、博士課程の現状を振り返る第一弾として、博士課程の就職率を見てみたいと思います。以以下に示す図1は、昭和61年度から平成14年度までの就職率を博士、修士、学部にわたって、比較したものです。(学校基本調査報告書平成14年度版より)

図1 博士、修士、学部就職率



図1のだいたいの傾向としては、平成はじめのバブルの崩壊後に学部も、修士も博士も就職率が最高潮に達し、その後、低下しているということでしょう。修士に関して言うと、結構、就職率が低いなと思うかもしれませんが、就職率というのは、全卒業生に占める就職者の割合ということになります。したがって、修士から、博士に進学した人達というのは、就職者には含まれません。修士に関しては、博士への進学率はだいたい2割程度になりますので、進路が決まっている人の割合を考えると、結構高い数字になります。

なんにしても、博士に関しては、就職率が低いというのは、別に今にはじまったことではなく、昔からずっと続いていることであるということが分かります。ちなみに、博士の就職率をとりはじめた昭和38年度からずっと博士の就職率は、6割前後をキープしております。

後にまた述べていきますが、博士の絶対数は、ずっと増えつづけてきました。それにも係らず、就職率6割で変わらず推移してきたということは、何か博士の就職に質的な変化が生じてきているのかもしれません。これを今後、少しさぐっていきたいと思います。ちなみに、学部生の就職率が下がってきているのは、就職先が減ったということよりも大学生の数が増えたことに原因があると指摘されているようです。こちらについては、話の本筋ではないので、とりあえず触れないでおきます。

補足になるのですが、博士の就職率も低いのですが、大学院卒の女性の就職率はもっと低いという結果もあります。そちらについても示しておきます。

図2 男性博士と女性博士の就職率の推移



図2 男性修士と女性修士の就職率の推移



ちなみに、学部卒の場合だと、男性と女性の差はほとんど存在しません。以下に比較のために、男性学部卒と女性学部卒の就職率の推移を示します。

図3 男性学部生と女性学部生の就職率の推移



こういった差は、一体、どのようなことから生じてきているのでしょうか?このことも機会を見て調べていきたいと思います。



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