道を自ら切り拓く

名前:はのんさん 

所属:文系博士課程3年生・民間企業内定


文系院生にも2つの軸があると思います。1つは、純粋に理論・学説を研究するタイプ、もう1つは、計量データや実態調査データを用いて統計解析・シミュレーションを行うタイプです。私の場合は、前者に近い研究分野になります。

大学院を受験するキッカケは、公認会計士試験の論文式試験に落ちたことです。大学4年の秋ということもあり、会計士試験の勉強を続ける(専門学校での勉強)かどうか迷いましたが、「会計以外の知識が欲しい」と思い、大学院への進学を決意しました。動機としては曖昧ですね(笑)

修士課程では経営学を専攻し、「経営戦略の成功要因や失敗要因」に関して研究しました。経営学では文献サーベイが重要視されるので、修士時代の多くを学説研究に費やしました。文系院生の日課は「先ずは本を読む」に尽きます。修士課程の大半を理論研究に使うといっても過言ではありません。ただ、受験勉強とは違い、学説の論理性や共通点・相違点を「思う存分」考察できたので、充実した修士時代と思いました。修士論文を提出する頃になると、指導教員から「今後の進路をどうするか」を尋ねられました。民間企業への就職も視野に入れましたが、今の研究を続けたいと強く思ったので、博士課程への進学を決めました。

博士課程では、修士課程での研究を継続し、学会発表や論文投稿も行いました。指導教員や社会人院生のアドバイスもあり、スムーズに研究が進んだ方だと思います。しかし、博士2年生の後半になると、研究に行き詰まりを覚えました。その原因の最たるものは、「自分の仮説を検証することが難しい」点です。私の研究対象は、企業の経営戦略であるため「実験」ができません。また、企業の計量データ=貸借対照表、損益計算書等の決算書類になりますが、それだけでは判断できない定性的な要素、外部から見えにくい要素が非常に多いです(シミュレーションが難しい)。加えて、実務担当者のニーズ・期待水準に私の研究成果が追いついておらず、貴重な調査機会を十分に活 かせなかったかもしれません。結局、博士論文を仕上げるには、「実務経験を積むことが近道である」と考え、民間企業への就職活動を開始しました。企業の考える本当のニーズや問題点・解決策を知るには、自ら現場に入る必要があると思います。これを実践すると、非常に長期間を要しますが、博士論文の水準を満たすには必須であると思います。ここに、文系院生が博士号を取得しづらい原因があると思いますが、辛抱する所でしょう。

なお、就職活動に関しては、比較的スムーズに運びました(民間企業)。文系博士院生の就職は悲惨と言われていますが、就職がゼロではありません。むしろ、アカポスよりも民間企業の方が就職しやすいと思います。ただし、民間企業へ就職する場合は、プライドを捨てて学部生と同じ土俵に立つべきです。言い換えれば、適性検査(YG性格テスト、SPI、GAB)や自己分析、筆記試験対策、面接対策を「初めから」やり直すことが大切です。何しろ、学部生ですら10社受験して1〜2社内定という感じですから、就職の秘訣というオイシイものは存在しません。結局、採用試験にどれだけ落ちようとも、担当者に嫌味を言われようとも、等身大の自分を上手くアピールできた人が内定を取る可能性が高いです。

以上、私の体験を綴りました。博士課程の院生が悲惨と言われますが、過去の出来事、考え方、価値観に固執せず、自身の考え方や価値観を新しく変化させることで解決できる部分もあると思います。悲惨だからといって自分の活動を停止してしまえば何も起こりません。苦しくとも進んでいけば、回復の兆しが見えてくるはずです。

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