人は城、人は石垣

名前:江東の虎さん 

所属:国立大学博士課程在籍中


人は城,人は石垣とは,かの武田信玄が言った言葉である.堅固な城を築くより優 れた人材を育成することが国を治めるのに重要なことだと説いた言葉である.ぼく は,この大学院での生活を通してこの言葉の意味を痛いほど感じた.これをぼくの研 究室に当てはまらない.

話しはM2のときにさかのぼります.指導教官から,中小企業に行くぐらいなら一年 間博士課程にいれば某大手企業に入れてやる.でも,君は実務型の男だから学位は取 らす気はないとはっきりと言われました.しかし,ふたを開けてみたらその話しはど こかに消えてしまい,雑用と叱責を受ける日々になりました.挙句の果てにぼくが体 調を悪くして早めに帰宅したときに次の日学校に来るとA論文が通らないと破門にす ると張り紙がしてありました.毎日遅くまでがんばってきたつもりでした,日曜も盆 も研究をしていたのにたまたま早く帰った日にそんなことをするのは耐え難い屈辱で した.

D2も終わりかけたある日指導教官から衝撃の一言が,指導教官から就職する(単 位満了退学),しない(オーバードクター)かを決断しろと言われました.D3では学 位が取れないことが決定的になった.目の前が真っ白になりました.そのまま寝込ん でしまった.しばらくは,ぼんやり空を眺めることしかできなかった.

以上が,これまでのぼくの歩んだ道です.指導教官に恵まれず,後輩は学校にほん とんど来ない.実験解析はほとんど独りで行っている.組織力のある研究室の友人が ほんとうに羨ましい.ごみ捨てや研究室のそうじまでぼくがしている始末です.研究 以前のことで苦しめられることほど嫌なことはありません.最後に,ぼく自身,今は 雌伏の時だと考えています.10年20年の長いスパンで研究を続けていきたい.



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