漠然とした気持ちで大学、大学院と過ごしてきました。ぼんやりと研究者になりたいと考えていました。しかし、博士課程に入り、研究に専念しているうちにどんどんと自分が今の研究分野で今後5年、10年と研究を続けていくことを想像できなくなっていきました。私の研究者としての限界もあったのかもしれませんし、自分とはまったく関係のないところで話が進められる上に、何十年後かに実現するかもしれないという気の遠くなるシステムの研究に正直なところ自分の残りの人生をかけるのが惜しくなったのもあったと思います。もっと自分の出した成果を内輪の研究者の間だけではなく、広く世の中に問えるような場所に行きたいと願うようになりました。
しかし、「博士の就職は難しい」と言われている現状があります。実際に、私の先輩達もオーバードクターを経て研究職につかれておりましたし、理工系博士でさえ就職率6割程度という(文系博士はもっと低いです)悲惨な数字もあります。自分の研究分野においてポスドクの職にありつくことすら難しい状況下で、これまでの研究分野を離れて職を見つけることができるのかとても不安になりました。
そうこうしているうちに、あっという間にD2の冬になってしまいました。博士課程の学生には基本的に学校推薦はありません。企業への就職を目指すなら、動きはじめなければならない時期にきていました。現状の延長線上に明るい未来を見出せなくなり立ち止まっているよりは、どうなるのかわからないけれど新しい場所に活路を求めようと考えるようになりました。逃げ出したと言われたらそれまでですが、袋小路に入ってしまった私にとっては押まくることはなんの解決も与えず、他の抜け道を探すことが必要でした。
こうして私の就職活動がスタートします。D2の11月のことでした。