「知識基盤社会と大学の挑戦」
佐々木 毅(ささき たけし)著 東京大学出版会 2500円+税 2006年11月10日初版発行
著者は東大の前総長も勤めておられた政治学者です。3部構成になっていて、1部が東大での入学式の式辞と卒業式の告示、2部が国立大学法人化に向けての準備の中でご本人がどのように考えて行動されてきたのかを学内広報などの記事を追うというもの、3部が、総長時代の東京大学の試みについて考えを示した記事などをまとめたものとなっています。
興味があったら、2部、3部も面白いとは思うのですが、手にとってよかったと思うのは、入学式の式辞や告示の内容に触れたことでしょうか?政治哲学をされていたということもあるのでしょうが、個々人が人として社会とどのように向き合っていくべきなのかという点について、とても含蓄のあることを述べられておりました。内容についてはいちいち示しませんが、第一部の見出しだけ示しておこうと思います。
- 歴史の「裂け目」と「挑戦の精神」
- 「勉学の一区切り」としての卒業
- スペシャリスト、プロフェッショナル、ジェネラリスト
- 研究生活の「内面のバネ」と「何のために」(平成13年度博士課程学位授与式告示)
- 壮烈な勉学の放し飼い競争
- 自らに対する配慮と公共の事柄への配慮
- 社会における専門的知識の地位確立のために
- 大学と社会との新たなプラスサムゲームを(平成14年度博士課程学位授与式告示)
- 良質なリーダー、市民的エリートへ
- 能力と経験の「ストック化」を
- 知識の社会的意味と責任
- 専門的・先端的知識の探求とその意味(平成15年度博士課程学位授与式告示)
- 卓越性の追求
- 知的探究心を持って現実との抗争を
- 新たな「歴史の裂け目」との長い格闘
- 社会のマネージメント能力の向上に向けて
- 社会との接点の積極的模索を(平成16年度博士課程学位授与式告示)
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