「博士号とる?とらない?徹底大検証!」

白楽ロックビル(はくらく ろっくびる) 羊土社 2900円+税 2000円10月5日初板発行


著者は本名 林正男というお茶の水女子大学で助教授を勤める細胞生物学者でバイオ政治学者です。この本は、主としてバイオ関係の大学院生・ポスドクを対象として書かれていますが、理工系の学生・ポスドク全般に対してあてはまることも多々あると思います。この本は3部構成になっており、第1部「大学院博士課程に進学すべきか?」では、博士号の実力、博士号を取ると損か得かといった議論が展開されています。第2部「博士号取得への道」では、博士号を取る上での研究室選び、研究室での過ごし方などのポイントがまとめてあります。第3部では「博士号取得後の夢と現実」と題して博士号取得者の雇用環境について述べられています。私自身が特に興味をもって読んだのがこの第3部です。この中でびっくりするようなエピソードが挙げられています。著者はあるとき科学技術庁の官僚から次のような相談をされたそうです。「『大学院生倍増計画』と『ポスドク等一万人計画』のおかげで、日本では博士号取得者とポスドクがドンドン増えている。その人達をどうすればよいのでしょうか?」もともと、大学院生倍増計画』とか『ポスドク等一万人計画』には特に国家戦略とかの大きな意味があったわけではなさそうです。博士課程のことやポスドクのことというのはとかく情報が少ないものですが、この本は数少ない情報源にはなるのではないかと思います。

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