「権力を握る人の法則」

ジェフリー フェファー(じぇふりー ふぇふぁー)著 村井 章子(むらい あきこ)訳  日本経済新聞社  1800円+税 2011年7月20日初版発行

著者は、組織行動を研究する研究者のようですね。

タイトルを見ると、自分には関係ないかなと感じる人は多いかもしれませんが、会社や研究コミュニティーなど、人間集団の中で、割を食わずに生きていく上で、気にしておいた方がいいことが書いてあるのかなというように感じます(「上」を目指すかどうかはともかくとして)。

著者が繰り返し主張しているのは、「この世は公平ではない」ということです。

私も子供のころから、「この世は公平ではない」ということは理解しているつもりなのですが、心のどこかで公平であってほしいと願っていることもあり、たまに怒ったり、たまに失望したりといったことを繰り返して今に至っております。

このように、心のどこかで世の中は公平であってほしい、成果を上げていればいつか誰かが認めてくれるはずだといったことを信じることを「公平世界仮説」というようです。

この本では、そのような仮説は成り立たないということを前提として、そのような世の中でいかに自分が社会的に抹殺されることなく、生き延びていくのかといったことについてのささやかなヒントが記されております。

一言で言えば、自分のことをなるべく多くの人に知らしめる、それも自分が有用な人間であるということであればなおよいし、上位の人間に知られるのはさらによいといったことだろうと思います。

こういったことを意識的にやった人間とやらなかった人間とでは、仮にその他の能力が等しかったとしても、結果が異なってくるというのがこの本の趣旨です。ただ、ここで述べられていることは、決して「媚」を売るということではなくて、自分の実力をどのように発揮させたらいいのか、発揮した力をどのように人に見えるように見せていったらいいのか、人とどのように関係を築いていったらいいのかといったことで、積極的に自分をアピールすることに嫌悪感を抱く人でなければ、割と受け入れられる内容なのかなというようにも思われます。

もっとも、生き残ることを考える場合には、「どこで」生き残るのかといったことを考えることも大切です。この本にも書かれていることではあるのですが、その選択を誤れば、自分自身が合わないところで苦悩することになってしまいます。自分の進路を大局的に捉えるといった視点も必要なのだろうと思います。



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