「MBAコースでは教えない『創刊男』の仕事術」

くらた まなぶ 著  日本経済新聞社 1500円+税  2003年4月21日初版発行


著者はリクルート在職時代に創刊男の異名をとり、「とらばーゆ」をはじめ14の新規事業を立ち上げた実績をもっているそうです。その著者が自らの経験を元にして、新規事業の立ち上げから軌道にのせるまでのプロセスをまとめたのがこの本です。特に新規事業を始めたいという方以外にも、何か人に役立つことをしてみたいという方々にもとても役に立つ本だと思います。

この本ではマーケティングと、そこから新しい事業案を作るまでのプロセスに特に力を入れています。全8章のうち6章をこれに向けています。「マーケティング」とは「人の気持ちを知ること」であると述べています。世の中では市場調査とマーケティングをごっちゃにしている人が多いと述べています。市場調査は、過去にどうであったかという数字でしかなく、そこから予想される結果はかならずしも、未来を言い当てたものではない。そのため、人々の気持ちを確かめていかなくてはならないとのことです。そのあと、ヒアリングの仕方についてのコツなどが記されているのですが、このようなヒアリングのコツは別にマーケティングだけでなくても、普通に初対面の人にとの会話をもたせるのにも使えるのかななどと考えたりもしておりました。そして、ヒアリングで大事なのは、消費者がどのようなことに不満をもっているのか、そういう「グチ」が大事であると述べています。

この本は、さまざまな情報誌の立ち上げをしてきた人の経験をまとめたものですが、商品開発やサービスに対してもあてはまるものではないかと思います。見向きもされない製品やサービスを始めてもらちがあきませんし、使えない特許ばかりをとっても大学もTLOもまったくうるおわないわけですし、学生に知的刺激を与える授業でなければお互いの時間の無駄になってしまうわけです。楽しい世の中にしたいものです。



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