「会社はこれからどうなるのか」

岩井 克人(いわい かつひと) 著  平凡社 1600円+税  2003年2月23日初版発行


これまで安定と思われていた大手企業での人員整理が大規模に行われたり、給料があがらなくなったり下がったりということもありますし、最近ですと、委員会等設置会社(?)でしたか?アメリカ型の経営モデルを選択できるようになり、これから自分の所属する会社がどうなるのかとか、これらか社会にでる学生たちにとってはこのごろの会社に関する変化というのは大いに興味を引くことだと思います。

でも、そもそも会社というのはどのようなものなのだろうかと言われると、私自身を含めて特に深く考えたことがないのではない方が多いのではないでしょうか?この本は、そのような方々に対しての入門書ともなっています。

この本では、会社というものをヒトに支配されるモノとしての会社(株主と会社の関係)と会社資産を所有するヒトとしての会社という二つの側面からこれまでの会社がどのようであったか、これからの会社はどのようになっていくと思うかということを述べています。

前半では、モノの所有者としてのヒトとヒトに支配されるものとしての関係が近代市民社会の基本であるという書き出しからはじまり、会社というものはどのようなものであるのかということからかき始められています。法人とはなんであるか、その歴史的背景から始まり、会社の仕組みとして、会社と株主の関係、会社と経営者の関係について述べています。

後半では、モノとしての会社、ヒトとしての会社の二つの側面から日本型の経営といわれている終身雇用のシステムとこれまでアメリカ型と思われていた会社をばんばん売り買いする方式について考察をしています。作者は、これからの会社のあり方について次のように述べています。現在の社会は、個々の会社がそれぞれに差異をもつことによって利潤を上げていく構造に移り変わりつつあるそうです。そのため、会社は他所との違いを持たせるために、新しい発明であったり、なんらかの生産に関するノウハウであったり、サービスであったり、特別なものを生み出していかないといけない。そしてそのようなものを生み出すのは、従業員たちであり、従業員の積み上げて、従業員の中に経験として蓄積されていくノウハウであると述べています。そこで、これからは差異性を確保するために、会社資産(生産のノウハウとか、顧客といった従業員たちが積み上げていく無形の資産)の所有者としての会社の側面が重要になってくるだろう、そして、そのようなノウハウが企業買収などによって散逸・消滅することを防ぐ機構としての役割が重要になってくるだろうと述べています。

ちょうど先週、リクナビが解禁されたりと就職活動のシーズンに突入したこともありますし、これから就職活動をしようという学生さんなんかが読まれるのもいいと思いますよ。



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