「僕はこうやって11回転職に成功した」

山崎 元(やまざき はじめ) 著 文芸春秋  1429円+税  2002年5月30日初版発行


この本の著者は、経済評論家ということになるでしょうけれど、作家の村上龍が主宰しているメールマガジンJapan mail mediaに寄稿をなさっていたり、村上龍と本を書かれていたりしていたので、このような本がでたときになんだろうと思わず手にとっておりました。

この本の著者は現在は、UFJ総研の主任研究員などをされているようですが、そこにたどりつくまでに、11回の転職を繰り返してきています。主に、資産の運用など証券関係の仕事を手がけてこられていたようです。この本では、転職をして著者がまなんだこと、得をしたと思ったこと、痛い目にあったことなどを時系列にそってかかれてあります。著者の基本的な考え方は、肌に合わない仕事や会社なら、無理にあわせようとするよりは、新しい環境を探す(=転職する)という選択肢 決して悪いものではないということにつきるのではないかと思います。著者にしても、すべての転職がうまくいっているわけではなく、はじめから不本意な転職であったもの、大きく期待をしていたけれど、大きく失望してしまったものなど、あれこれとあるのですが、それでも著者がめげなかったのは、著者が、健康でありさえすればなんとかなるさとかなり楽観的に物事をとらえていたということにあるかもしれません。

私は転職するということがどのような気分のものなのか、著者の主張にはついていけないところもあるのですが、おおむね、著者の主張というのが無理のないものに聞こえてきます。私も含めて、博士課程の在籍者やポスドクの方には、なんとか研究職に踏みとどまろうという方が多いのではないかと思いますが、少し肩の力を抜いてみて、周囲を見渡してみたら、いままでじっと見てきた花よりも、もっと綺麗な花園が見えてくるかもしれません。自分自身を社会の中でより生かして行きたい、より充実した人生を歩んでみたいと思うとき、この本の著者のように思い切って、外の世界に飛び出してみるというのも悪くはないのかもしれません。



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